セクション紹介


ひとつの企画を成功させるまでには様々なセクションの人が関わっています。
毎回違うセクションにチャレンジする人、ひとつのセクションを極める人…などそのスタイルは様々。
ベテラン工房員が各セクションについて語ります。ご自分が興味のあるセクションをクリックしてみてください!
※学年は代を示しています。

役者  演出  映像  衣装  美術  小道具  音響  照明  宣伝美術  制作


役者/小川一樹(3年)
きっとこの原稿を依頼してきたK氏は、僕に「芝居ってこんなに面白いんだよ」ってことを上手い具合に書いてくれるんではないだろうか――
という希望的観測を持っていたに違いない。
が、断る。そんな甘いことを言っていて芝居を作るのは言語道断です。楽して金儲けしよとするぐらい馬鹿げてる。
そんな都合の良い話はありません。断言します、中途半端に関わるととんでもないことになる。

大体、僕が芝居をし続けているのは、間違いなく馬鹿だからです。おかげで僕は様々な機会を失い、チャンスを棒に振ってきました。
他人が聞いたら間違いなく「馬鹿だな」というような人生を歩んでおります。しかも現在進行形です。
救いようがないです。だからこれから役者を志す諸君は、相応の覚悟を持った方がいい。

最後になりましたが、しかし、今僕がこうしていることに微塵も後ろめたさは感じないし、
今更どうのこうのと言っても致し方ないと覚悟しています。むしろ、「で?って言う」と言いたい。

むしろこんな愚か者が声を大にして言うのは、

「芝居のない人生なら、死んだ方がましだ」

ということです。                 

演出/佃梓央(4年)
『演出に決まった仕事があるのか、
はたまたあらざるのか、
それそのものが問題だ!!』

新入生のみなさん、といっても、このコラムを見てみようなんていうちょっと変わり者のあなた、ご入学おめでとうございます。
演出ってどんな仕事をするか、新入生のために書いてくださいって後輩に頼まれて書くことになった。
そんなのわかってたら僕のほうが教えてもらいたいくらいだよ・・・。
で?何?演出って何するの?っていうかなんなのそれ?
いままで何人かの演出家、といってもたかが僕の身の回りで演出とかほざいてる奴、それも本当に数人だけを見たけれど、さらにさらに、もっと罪なことに僕自身も、何回か、演出やってるんだ!なんて寝言を吐いたこともあるけれど、みんなぜんぜんやり方が違う。
仕事なんていわれるほど仕事してない奴だっていた。まあ、その筆頭が僕だけど。だってやることなんてないんだから。
むかしどっかのだれかが、(たぶんノルウェーのイプセンが)何とかって芝居作ってるとき(おそらく『人形の家』って言う芝居を作ってるとき)
おれが演出をやるんだ!!ってダダこねたんだって。それ以来、そんなダダっこがふえちゃった。
その後ロシアに、スタニスラフスキーって奴が出てきて、一生懸命やってる役者に向かって、
役になりきれ!!役になれ!!役を自分の身体に下ろせ!!!ってえらそうなことを言い出した。何様だって話だよな。
それからの奴らはみんな、どこどこのタイミングで音楽を入れろとか、このシーンはこういう明かりじゃなきゃだめなんだ、ってわがまま放題。
考えても見ろよ、イプセンより前は、お前なんか用なしだったんだよ。
いまだって、歌舞伎っていう何百年も続いてる演劇を見てみたら、演出家なんていないよ。まあ、流行だから、演出家がいる公演もあるけど。
脚本があって、役者がいて、舞台さん、音響さん、照明さん、衣装さんがいれば芝居にはなる。
制作さんと宣伝美術さんがいればお客さんも呼べる。ことたりてるじゃねえか。
その人たちの意見がぶつかったときまとめるのが演出だって言う人もいる。
うぬぼれるな!!てめえがいたところで、また別の意見が出てきて、余計話がややっこしくなるだけだよ。
松田優作って俳優がいたけど、意見がぶつかって、何人の演出家をやめさせたか。まとめるどころの騒ぎじゃないよ。
でも世間っておかしいよな。今の演劇は演出の時代、なんていわれてる。演劇関係の雑誌にも、たいてい特集されてるのは演出家だ。
それで偉そうなこと言うんだろ。見てられないよ。
小屋(劇場)に入ってもさ、一番えらそうな顔して座ってやがるのが演出家。
舞台さんが一生懸命釘うってさ、照明さんが汗だくでつりこみしてるのにだよ。
それでもズデーンと奴は椅子に座って、のんきな奴は、たばこまでふかしてやがる。それで、ちょっと気に入らないことがあったら怒鳴るんだ。
怒鳴ればいいと思ってやがる。なんて態度のでけえやつらだ。
あ、これって全部、僕が役者やスタッフに思われていること?
みなさん、今までほんとごめんなさい。深く深く反省します。
ここまで飽きずに読んでくれた、変わり者の新入生さん、演出ってこんな感じ。かもしれない・・・。

映像/上野紗代子(3年)
創像工房での映像は演劇公演での劇中映像の製作を主にしています。
特に劇中映像は一見、演劇とは関係ないように思いますが、主に音楽のPVのようなオープニング映像を製作するので、短い時間でもお客さんの印象に残すことができるやりがいのあるセクションです。
創像工房や慶應の大学の施設では撮影器材や編集ソフトを無料で借りることができるし、
工房員でも映像製作のやり方を知っている人はいるので、映像製作の経験のない人でも「映像が好きだ」とか「こんな映像を作りたい」という熱意があれば、いい映像はいくらでも作ることができます!
あとは、気力勝負。書き出した映像は、演技のように本番で修正することができません。
絵コンテや撮影、編集の時点で長い時間をかけて、いかに努力したかを短い本番用の映像に凝縮させる力が必要です。
しいて言えば、特に編集作業に時間がかかるので、長時間パソコンの前に坐ったままのこまかーい作業にも耐えられる人が向いていると思います(笑)。
また、ドラマ制作など、他の映像表現を試してみたい!という人も、サークルで知り合った仲間を集めればまだまだ映像の可能性を広げることができます!

美術/常泉涼子(4年)
小さい頃からカナヅチトントンが好きだった。
それがお芝居の舞台を作れるなんて、想像したことなかった。
カナヅチトントンがしたくて、舞台を始めたわけだけど
それだけのものじゃなかった。
舞台美術をやるようになって、芝居は舞台ありきだな、って勝手に思ってる。
舞台って、いろんなものを支えてるし、ずっと、そこにそびえ立ってる。
劇場に入って真っ先にお客さんの目にさらされる。
舞台を見て、どんな芝居なんだろうなーって想像する。
あそこをああやって使って、ああなるのかなー。って。
人をワクワクさせるのは、なんだかいい気分だ。
舞台を建てるまでが大変だからこそ、建った時の喜びは大きいもの。
だからこそ、壊す時は悲しいもの。
だけど、人は芝居を思い出すときに真っ先に舞台を思い浮かべる。
舞台は芝居のシンボルとして人の記憶にずっと残るんだ。

小道具/柏原大介(2年)
正直言って、もし誰かに小道具というセクションは忙しいのかと聞かれても僕には答えられません。
例えばあるお芝居で携帯電話が必要だと言われたとします。
その場合僕はうちの引き出しに入っているもう壊れて使わない携帯電話を渡します。
これでもう仕事は終わり、後は渋谷で映画でもゆっくり観ます。
次に遠くの県にしか売っていないご当地ストラップが必要だと言われます。ちょっとこれは面倒です。
下手したらその県まで買いに行かされかねません、必死でヤフオクで探します。しかし何処にも出品されていません。
もしたまたまその県に親戚が住んでいたのを思い出しそのストラップを送ってもらえなければどうなっていたことか、想像するだに恐ろしいです。
そして最後にお人形を要求されました。体長50pある立派なお人形です。
そんなもの誰も持っていないだろうなと思いつつ周りの人に聞いてみますがやっぱり当然誰も持っていません。
もちろんお店で買ったら軽く予算をオーバーします。
さてどうするか。私は一からお人形を作ることにしました。運のよいことに私はたまたまそんな人形を作るための専門書を持っていたのです。
そして私は一週間くらい必死で作業して何とか予算内でお人形を用意することができました。
めでたしめでたし、無事お芝居は公演を迎えることができました。
さて、果たして小道具というセクションは忙しいのでしょうか。私にはその質問の答えはわかりません。

音響/澤石達也(2年)
音響には大きく分けて2つの仕事があります。1つ目が「芝居で使う音を探す」、2つ目は「探してきた音を流す」です。
ここでいう音とは音楽であったり効果音であったりと芝居で流れる音全般を指します。

芝居で使う音を探す
単純に見えますが、音の素材である音源は色々あってCDであったり自分で作ったり、またはTV・ラジオ・YOUTUBEだったりと多様な選択肢があります。その中から探し出すのは結構な重労働かもしれません。

探してきた音を流す
これもまたタイトルのまんまですが、芝居本番で探したり作ったりした音を流します。
ただ音を流すと言っても流し方に決まりはなく、同じ音であっても流し方ひとつで全く違った効果をもたらします。なので流すこと自体よりも流し方を考えることにとても意味があります。

最後に、音響は舞台や照明と違い視覚ではなく聴覚に働きかけるものです。
なので音を探している時は、自分の台詞を探す様なつもりで動いています。
そして音を流したときに、期待していたリアクションが返って来たときの満足感、これは音響独特のものかもしれません。
拙い文章ですが、これを読んで少しでも音響に興味を持っていただけたら幸いです。

宣伝美術/後藤隆宏(4年)
宣伝美術は、公演の宣伝物を作るセクションです。
メインとなる仕事は、公演のチラシ作り。企画が始まって、まだ誰も知らない演出のイメージを聞きつつ、それをチラシにしていきます。
このチラシこそが、初めて形になる演出の世界であり、ここから企画が本格的に動き出します。
また、今後お客さんが初めてその公演を知る、いわば公演の顔になります。
つまり、公演の印象は、実は企画の内外共に宣伝美術にかかっています!
勿論作るのは、チラシだけではありません。その他にも、チケット、ポストカード、看板、HPなどなど、お客さんを呼ぶためなら、何でも作ります。
公演の内容に直接関わる機会は少ないですが、制作と一緒に、直接お客さんを増やすことが出来るセクションです。
これまでのチラシは創像工房のHPで見ることが出来ます。是非これを越える、カッコイイ・カワイイモノを一緒に創りましょう。
因みに、宣伝美術には、アート・広告好き、夢中になったら止まらない、時間にルーズ(夜行性、朝弱い、〆切嫌い)、美術部あがり、奇人、隠れオタク、が多いです。また男女比は、1:4くらいです。どれかにピンと来た方は、お近くの工房員まで。

制作/半田桃子(3年)
公演をプロデュースするのが制作です。
制作のお仕事は「宣伝」、「集客」、「当日運営」の3本柱によって成り立っています。

「宣伝」
常に宣伝戦略を頭の片隅におき、公演情報(日程、料金)や公演予算の決定・管理をします。
また、宣伝美術さんと一緒に宣伝のツールとなるチラシ、ポスター、ホームページを作成します。
公演があることを直接的にお知らせするために、他の劇団にチラシを折り込みに行ったり、ダイレクトメールを送ったりします。
「集客」
役者さんやスタッフさんに集客を呼びかけ、自らも積極的に電話やメールをして公演を観に来てくれるお客様を増やします。
1人でも多くのお客さんに観に来てもらうよう戦略を考えるのが制作の醍醐味です。
「当日運営」
いわゆる公演の“顔”です。観に来ていただいたお客様に対し、丁寧な客を心がけています。
具体的にいうと受付、客入れ、客だし、アンケート回収まで運営の全体を管轄しています。

事務作業からフィールドワークまで幅広い活動をしています。
公演の中心となって働き、公演全体を見ることのできる、とてもやりがいのあるセクションです。